津波避難地下シェルター研究室

高知県のご自慢のシェルター  (Kouchi prefecture)


 前回は、室戸市に造られた地下シェルターを検証した。



 今回は、高知県のホームページに掲載されている、高知県の自慢の地下シェルターについて検証してみた。



 注意書きのようにイメージとあるが、実質計画に近いものとみることができる。

 (東日本大震災から既に6年も経過しているので、イメージでなく具体的な計画案が公表されてもいいのでわ ??? )






                                                                                                                               (Unauthorized use of drawing is prohibited)



 高知県庁のホームページに記載されているものを、当方で図面にした。



 この図面に基づいて、従来通りの解析方法で、検討してみた。







                                                                                                                           (Unauthorized use of drawing is prohibited)



 確かに、出入り口が複数個所あることは、市民が避難する時には若干有利ではある。



 しかし、出入り口とシェルター本体を仕切るものは、水密扉?らしきものだけでる。




 地上においては、震災瓦礫が出入り口と称する構造部に激突する





 1個所でも損傷すれば、そこから大量の海水が、瞬時にシェルター内に流れ込む。




 地下シェルター内に避難した市民は、全員即座に溺死する。




[高知県だけは、瓦礫の衝突は絶対にない ! ]とでも言う思考なのか ??




 それともまた、全員にスキューバーダイビング用の救命装置が用意されていれば、別問題である。(ボンベの酸素は、30分程度と聞いている)



 そのようなものは準備されず、しかも全員が瞬時に装具することも不可能である。高齢者や身体障害者、視覚障害者ならなおさら不可能である。







 昨年、室戸市の津波シェルターについて、室戸市の担当課に直接電話をして、問い合わせした時に返答されたことは、



 [高知県庁が全ての設計,施工を行い、室戸市は、ただ引き渡しを受けただけなので、水密扉の安全試験とか安全強度については、全く知りません ! ]  と言われた。




 全く呆れるレベルの回答であった。





 その時の言葉を踏まえるならば、高知県庁が津波地下シェルターについて全てを取り仕切っているということである。





 そのような重要な部署が、上記の様な稚拙なシェルターを推進するとは?????????






 そう言えば、 [ 津波タワーにトイレが無いですが、不要ですか ? ] というアンケートを実施したが、回答が全くなかったのが高知県内の自治体だった。

  アンケートの結果は、こちらから







 さらに、ネットで検索してみると、室戸市の津波シェルターの視察にくる地方議員などが非常に多い。





 しかし、この程度のシェルターを全国の見本のごとく普及啓蒙されることは、同じカテゴリーの開発を行っている我々としては、大変な困りごとであり、かつ迷惑である。





 地下シェルターにおいては、シェルター本体の強度もさることながら、それと同等以上に重要なものは、水密扉の水密性能である。






 瓦礫による耐衝撃性能および水密性能が、まさに肝心である。





 水密性能を担保するべく性能試験の実施及びその結果が一切公表されていない。




 設計、施工、製造業者の企業秘密でも存在するのか?





 いずれにしても、近々に高知県は具体的な津波避難シェルターを公表しなければならないであろう。


 産官学が共同で開発しているようである。


 如何に高性能で我々を驚かせるシェルターが発表されることを切に待ち望む !!