津波避難地下シェルター研究室

串本町 (和歌山県) Kushimoto in wakayama vol.1


 津波被害想定になると、ニュースソースとなりがちな串本町の津波対策

現状を調べてみた。




 当町の中心部である上松地区が、トンボロと言われる海抜0メートル地域である。



ここは、非常に危険な地区で、約600人の住民が生活している。





                                                                                                                   (和歌山県航空港湾整備課より )




 串本町総務課に直接電話をして聞き取りをした情報に基づくことを前書きする。



 この地区には、マスコミで取材されている津波タワーがただ1基のみが、
建設されている。




 ここに避難可能な人数は、約70人ということだ。残りの530人は、徒歩で
高台へ歩いて避難するということである。



避難路の整備は、行っているらしいが、十分といえない。





 なぜならば、国の予測では、津波到達予想時間は3〜5分ということを前提とすれば、深夜に津波が発生した場合は、殆どの市民が助からない可能性が高い。









 町役場の担当者は、財政的に小さな自治体なので、国からの補助金等がないと大規模な津波対策工事は不可能とのこと。



 さらに、高齢化が激しく、高台へ移転する経済的余裕のある市民は少い。

つまり、津波対策は全く行われていない!!



市街地の商店街も閉店した店が7割り程度見受けられる。



 こう言った状況では、町の区画整理事業を行い、

 鉄筋コンクリート製の総合ビルを建設する方法しかない。









 串本の役場の総務課で取材して得た結論である。



 1) 町の財政が貧困で、津波対策に使える予算が少ない


 2) 役場内には、3〜4名の技術者らしき職員しかおらず、区画整理を行う技術者はいない


 3) 大島を含めて、海岸線沿いに小規模な集落が点在しており、すべてをカバーできない。


 串本町を始めとして、殆どの地方の市町村のレベルでは、財政不足だけでなく、技術者すら不足している。


 本格的な津波対策は、不可能である。