津波避難地下シェルター研究室

焼津市の津波タワー (yaizu in shizuoka prefe )



 先日、静岡県焼津市内( 人口15万人) に新たに設置された津波タワーの現地取材を行った。



 その結果、いくつかの問題点も明白となった。




(1) 最上部には、トイレの設備が全くない。


 津波タワーに収容が可能な人数が100〜200人とすると、厳冬期には排泄行為の頻度が高まることは、明白である。




 糞尿を垂れ流しの施設である





 (2) 最上部には、雨除けとなる屋根部材がない。


 厳冬期には、降雪降雨に対しての対策が全くなされていない。



 長時間屋外で退避状態が続くと、弱者の健康面に於いても、重大な問題が発生する。( 高齢者、病気療養中の方 )




 (3)食料を備蓄するための倉庫設備


  特に、厳冬期や真夏には飲食のカロリー補給が重要である。




 (4) 廻りの住宅数に対して、全く足りていない。


  木造二階建ての住宅密集地であるにも関わらず、津波タワーの床面積  狭すぎる




(5) 直接的ではないが、木造家屋等の倒壊で道幅の狭い


  避難経路が塞がれて津波タワーまで辿り着けない可能性も考慮に
 に入れる必要がある。







                                                                                      (写真の無断転用は禁止する)
                                            




  海岸から内陸に向かって500m程度のところに建てられたタワーである。



   住宅密集地に於いて、避難距離が短い場合に限り有効な手段と言える。




  しかし、多額の税金を投入して不完全なタワーを建設するよりも、民間の 津波ビル等に外階段を装備する方法の方が遙かに有効である。




  そのためには、建築基準法の緩和固定資産税の一部免除などの法整備を行った方が有益である。





                                                                     (写真の無断転用は禁止する)



 類似の津波シェルターも別日に取材を行った。



 愛知県豊橋市の津波タワーのレポートは、こちら




 やはり、ここも頂上から見渡すと高層階のビルなどはほとんどなかった。