浮遊式シェルターの危険性

津波避難地下シェルター研究室

浮遊式シェルターの危険性


 
 現在、ネット上では浮揚式のシェルターが幾種類も販売されている。





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しかし、重要な危険性についての対策とそれらの回答がなされていない。それで、いくつかの点について詳細に言及する。






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また更に、長尺タイプのシェルターについては、耐衝撃性能についてより検討することが必要である。




国土交通省が推進している、津波から避難するための救難艇もこの一部と言える。




 以下に、その資料を掲載する。





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具体的かつ合理的な試験方法を掲載する。


 ロングタイプは、弱点が多い。(全重量が重い。)




その根拠は、物理学の公式 F=maによる。



 F : 衝撃時のエネルギー量
 m:シェルターの総重量 (全定員を含む)
 a: 速度で、津波に流される速度 (約40km/h) は、どのタイプも一定







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要点をまとめてみた。




(1) シェルターの水密性能

 北海道の利尻島の役場が、町民に配布するために浮遊式のシェルターを試験的に1〜2台購入して、海上に浮かべる実験を行った。

 しかし、すぐさま水没してしまい、性能の低さを認識することとなった。
この点は、当研究室が利尻役場に直接電話での問い合わせを行って確認した事実に基づくものである。




 また、日本海事協会の認定試験を行った証明を添付しているシェルターは、当研究室が把握している限りでは、全く無い。




 津波発生時においては、2階のベランダに設置しておいても、最初に震災瓦礫とともに水中に引きずり込まれてしまう。


 そうなると、水深10〜15mまで耐水可能な水密扉を装備していなければならない。




この点については、世界ではどの研究者も言及しているものは、今のところは存在しない。



(2) 回収方法

 ビーコンから電波を発信して、その電波により海上保安庁や海上自衛隊に感知してもらい、救助を待つと言うふれこみである。

 しかし、東日本大震災の際には、磁場が乱れてカーナビゲーションが全く使用できなかったことの報告がある。


 津波発生が深夜であるならば、公的機関の捜索は翌朝の日の出以降である。




 時速30kmで日の出まで5時間かかったならば、約100〜150kmの沖合にアトランダムに漂流することとなる。



 そのよう な状況に於いて、保安庁の巡視船の5〜6隻で回収することは可能なのか疑問である。




 海上保安庁の総務課に直接電話で確認したところ、[ 海に流失したら一応捜索する] との緩い回答しか返ってこなかった。



(3) 耐衝撃性能

 津波の速度は、時速30〜40kmと言われており、浮遊式シェルターはこの速度でコンクリート製のビルや堤防その他のものにぶつかっていく。


その衝撃と衝突回数は、数十回〜数百回と推定される。


 ニュートン物理学の自由落下の方程式によると


  V2= 2ghにより計算すると、高さ5〜6mから落下させると時速35〜39kmとなる。


よって、シェルター本体を5〜6mの高さから数十回落下させる試験が必要である。




 しかも、衝突先が海水面では全く効力がなく、コンクリート面又は、一般土面で行わなければならない。特に、出入口扉は衝撃に対しして脆弱な
ので、衝撃を与える必要がある。




 また、人体への衝撃により、骨折内蔵破裂の危険性もあるので、人体実験によらない計測をする必要がある。


 
自動車におけるシートベルトの事故例を参考とした。


 自動車事故において殆どの場合は、正面又は側面衝突1度のみである。

 また、車体のフロント部分が潰れて衝撃を吸収することや、エアバックによる衝撃吸収も含まれている。




 しかし、浮遊式の津波シェルターはこのような複数の衝撃吸収する装備が容易されていない。シートベルトのみで衝撃を吸収する計算で造られている。



 人間の体は、70%程度が水で構成されている。ゴム風船に十分に水を入れて膨らませたものをプラスチックの容器に格納して、海中に投げ入れることと同じ事と成ってしまう。



 まるで、生卵を洗濯機の内部で木片鉄片と一緒に回転洗浄をして潰れないような考えで製造されている。




 耐衝撃試験もその程度の強度を担保するものであることの証明が必要である。



 しかし、ネット上で検索する限りにおいては、全く十分さを伺うことは出来ない。



 以上の内容についての対策などが殆ど行われていない。